Plant Vibe feat. THREE Vol.2

【香りと花のバランス学】
可視化されたものではない、香りの面白さ——フローリスト、越智康貴が考える花のエネルギー

フローリストだけではなく、さまざまな表現をアウトプットする越智康貴さん。花と香りの存在意義を、THREEのフレグランス「 エッセンシャルセンツ 」、都会に咲く花の芳香 “01 IN BLOOM”とともにたどる。

無限に存在する香りの中から、寄り添わせる

越智さんが手がける「DILIGENCE PARLOUR」アトリエにて。
 

—ご自身のライフスタイルでは、どのように“香り”を取り入れていますか?

昔から香水が好きで、自分でも驚くほど多く持っています。しっかりと重さのあるものから軽めの精油ベースのものまで幅広く愛用していて、植物や花の香りの種類にこだわりはありません。気分が変わっていくタイプなので、ファッションも含めその時の気持ちや好みを大切にしています。自分自身が多角的な側面を持っていて、香りはそこに“整合性”をあたえてくれるような存在かも。とにかく、フィーリングにフィットしていることが大事です。

—数多くある好きなものの中でも、特に好きな香りの方向性はありますか?

一番、とは言えませんが漠然とした好みがあって、パチュリが使われているものが多い。あと、ものづくりの考え方や取り組みにユーモアがあったり、素敵なクリエイションが込められている香りも好きです。ただ、家にいるときは無臭、無音で過ごしていて、基本的には外で香りを楽しんでいる。実は猫と暮らしていて、その為です。

見たことがないフォルム、大胆なカラー。さまざまな花の発見がある。
植物や花々の精油を取り入れたフレグランス、THREEの「エッセンシャルセンツ」を並べて。
 

—精油の香りも好きとのことですが、THREEの「エッセンシャルセンツ」を纏ってみて、どんな気持ちになりましたか?

5種類ある中で纏ってみたのは花がインスピレーションと聞いた01の「 IN BLOOM 」で、青々とした葉のニュアンスや果実っぽさを感じました。華やかな花々の香りではなく、もっと落ち着いた印象。30分ほど経過したらどこか墨っぽい雰囲気を感じて、奥行きがあり、さまざまな側面の花の個性を受け取りました。軽やかなので、静かに薄く香りを纏いたい時の僕にはぴったりです。

人間の感情を動かす、香りのマジック

変化する気持ちとシンクロする花が持つエネルギー。ひとつひとつにさまざまな表情が。

—花を主軸としたクリエイションをされていますが、あなたにとって花と香りとはどんな関係性にあると思いますか?

「リナロール」や「酢酸リナリル」など、花に含まれる成分はリラックス効果が期待できたり——そういった植物の効能、配合する技術や抽出する技術に興味があります。自分は基本的に不安と一緒に生きている人間。だから、香りを使ってリラックスできることを科学的に知ると、その効果をより大きく感じることができる気がしています。花が持つ力、香りはさまざまな用途で使うし、助けてもらっていますね。

—花だからこその、香りの魅力とは何でしょうか?

花の香りって、みんな漠然と理解している。でも、どんな香りか特定しづらく、つかみどころがない。だから面白いんです。アロマテラピーや香りから受け取る感性は、数値化することができない。自分でさまざまなものを使ってみて、実際に効果を体感できるかもどうかも人やものによってバラバラ。色や質感は実際に視覚情報として認識しているだけだけど、花は物質としてははっきりと見えている。一方で、味や香りは可視化されてなく、捉えづらい。空間や時間によって変わっていく。そのかたちを持たないものにこそ興味があり、移ろってくことに意味を見出したくなる。目に見えないものこそにエネルギーがある、と考えています。

THREE「エッセンシャルセンツ」の01「IN BLOOM」、フローラルの香りを手首へ。
奥に潜む香りをたどる越智さん。

花開き、初めて感じる波動

—THREEの香りのイメージを教えてください。また、THREEの愛用品があれば教えてください。

THREEってコスメ界の“サードウェーブ”の一部だと思っていて。精油を主体とした香りではあるけれど、今まで嗅いだことがないようなアレンジやツイストが加えられていて、実はとても複雑。実験的な香りのプロダクトが多いと思います。それぞれが持つ個性も感じられるし、ガストロノミー調というか、組み合わせの妙がある。「バランシングステム」のローションや洗顔料などたくさんのアイテムを使ってきましたが、植物の香りとは言え、言葉にできない、例えることができない香りなのが面白い。

〈上〉マインドをそっとリセットさせてくれる、石のニュアンス。
ユズやレモンが透明感を演出し、ウッディなロザリーナが神聖なイメージを作る。
エッセンシャルセンツ 00 WRITTEN IN STONE
〈下〉優雅で甘やかなゼラニウムとローズ、清らかなラベンダー、爽快なユーカリとティートリーが織りなす“一輪の花”の香り。
エッセンシャルセンツ 01 IN BLOOM

—「エッセンシャルセンツ」の01“IN BLOOM”は、「一輪からにじむ波動」がテーマです。花を扱う立場として、“一輪の花“やその力をどのように捉えていますか?

「月下美人」という、一晩しか咲かない花があります。不思議なことに、今にも咲きそうなつぼみの状態でも香りがしないのに、花開いたその瞬間から、だんだんと甘い香りを放つ。その物体しか持っていない香り。タイミング。花が咲くという変化とともに、香りの成分が宙を舞い、そこではじめて香りがする。自分が嗅がれる“花側”だったら……とイメージしたりして、その花の存在感に強く惹かれます。一輪の持つ力は、すごい。

お気に入りのフラワーベースや花瓶がひとつあれば、花との生活が楽しくなるそう。
越智さんがセレクトした個性豊かなグラスやボトル。

—ライフスタイルにフィットした、花や香りとの付き合い方とは何でしょうか?

人にあげる。これが、最強です。インテリアに取り入れる、とかより、人にあげるという行為が最高。嬉しい気持ちを運んでくれるし、嫌がられない。贈るその人のために選ぶプロセスも楽しいですよね。そして花を生活に取り入れるためのコツのひとつとして挙げられるのが、模範解答ですが気に入った花瓶を買うこと。ギターに例えると、見た目が好きなギターを持つとひきたくなるし上手くなる。花瓶に関しても、好きなものがひとつあれば花を飾りたくなるはずです。

—この「エッセンシャルセンツ」は、そういった花を贈ったり選んだりする行為とリンクする部分はあると思いますか?

言い方を選ばずに言えば、この香水ってパッケージで購買意欲をかき立てようとしてないじゃないですか。過剰な飾りで誘っていない。逆に、“中身”の香りをシンプルに、ありのまま表現していますよね。だから、中身に惹かれて素直に買いたくなる。そういった意味でとても優れているし、面白いと思います。シンプルな花束を贈る感覚で選べる存在かもしれませんね。

香りを重ねるレイヤード使いもおすすめ。ギフトに最適な2本セットも数量限定で登場。

Profile
越智康貴(フローリスト/「DILIGENCE PARLOUR」主宰)

文化服装学院を卒業後、フローリストに転向。2011年には自身がディレクションするフラワーストア「 DILIGENCE PARLOUR 」をオープン。花そのものが持つ存在感をミニマムに演出する世界観が高く評価され、2015年にはストアを表参道ヒルズに移転。メゾンやファッションブランド等の装花を手がけながら、コラムの執筆や写真のカテゴリーでも活躍。花を基軸としたアーティスティックで多面的な活動で知られる。

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