Plant Vibe feat. THREE Vol.5

“旬”のパワーを感じて——フードスタイリスト・KAORUが考える、風味と香りから導く果実の芳醇なエネルギー

植物の持つパワーを凝縮し、精油のみで香りをクリエイトしたTHREE「 エッセンシャルセンツ 」。さまざまな食材を扱い、愛でる、フードスタイリストのKAORUさんと芳醇な果実の香り 03“BLACKCURRANT BERET” について紐解く。

植物が持つアイデンティティ

—ご自身のライフスタイルでは、どのように“香り”を取り入れていますか?

内なる感覚を言葉として紡いでいくインタビュー。
 

リラックスしたい時にアロマキャンドルを焚いたり、私自身へのご褒美として香りで気分を切り替えることが多いです。また、旅の思い出で買った香水やキャンドルなどでその時の気持ちを思い出したり、当時の感覚が自然によみがえったり。仕事の上でさまざまな食材と向き合うので、フルーツや野菜、葉などの香りを自然と楽しんでいる瞬間もあります。

—フードスタイリング、ディレクションをされている際に香りを意識することはありますか?

KAORUさんの作品シリーズ Food on a photograph
 

ヴィジュアルに重きを置く時と、料理の時とで変わります。ヴィジュアル作りの際は、フルーツや野菜が収穫された時の鮮度だったり、ひとつひとつ異なるフォルムだったりを引き出す作業。人が大切に育て上げたものであることを感じ、生き物である植物の個性を引き出すイメージです。ひとつひとつ違う表情をどう収めるか……と考え、それを見つけた瞬間はアドレナリンが出るほど。一方、口に運ぶ料理を主体とする場合はもちろん香りも重要。見た目と同じく、香りにもさまざまな個性があります。

—見た目も華やかで、香りにも個性が光る果実の香りにはどんな魅力がありますか?

例えば、毎年食べていて旬を迎えるのを楽しみにしているフルーツにブラッドオレンジがあります。「タロッコ」と「モロ」の代表的な2種類があり、「タロッコ」だけで比べても、出始め、旬、終盤では果実の赤紫からオレンジ色のグラデーションの鮮やかさや、香りの芳醇さ、濃度も異なり、一つ一つの個性に魅了されます。果物は旬が短いものが多く、香りもそれにともない刹那的だなと感じますし、“旬”な時の果物の香りには直感的に強く惹かれるものがある。生き生きしていてみずみずしい特別なエネルギーを感じます。この 03“BLACKCURRANT BERET” にも、そんな旬の何かが詰め込まれているような印象がありますね。

コンセプトショップ「 THREE TOKYO MIDTOWN HIBIYA 」で香りを体験するKAORUさん。“03 BLACKCURRANT BERET”を香って。

—03“BLACKCURRANT BERET”を纏ったり、香ったりしてみた際にどんな気持ちになりますか?

わずかな柑橘を感じ、少しずつ甘さが増していくようなイメージ。フレッシュな果実のニュアンスには苦味や爽やかさも含まれていて、どこかエキゾチックな印象も感じました。時間の経過ごとに香りに丸みが出て、落ち着く。でもどこかアクティブさが自然にあふれるような気持ちにもなりました。ちなみに私にとってブラックカラントは、よくグラノーラに入れる食材。レーズンほど甘くなく、ギュッと濃縮された芳醇さや苦味がアクセントになります。

—なぜ果実の香りは、私たちをアクティブな気持ちにさせるのでしょうか。

THREE「エッセンシャルセンツ」の03“BLACKCURRANT BERET”を試すKAORUさん。果実のふくよかさを感じて。
 

旬な果実が持つエネルギーを受け取ることができるからでしょうか。先日、何十種類もの柑橘類が一面に育つ静岡のとある畑に行ったのですが、そこから放たれる香りに魅了されました。果実の葉だけからも香りが放たれていて、「それごと持って帰ってずっと香っていたい!」と思わせるほど。華やかでラグジュアリーな気持ちにさせるフランボワーズの香り、フレッシュな気持ちにさせる朝のレモンの味わい、季節の柑橘類の皮の芳香……それぞれその瞬間に気分をがらっと変えてくれたり、果実の香りには、1日の気持ちをキュッと引き締めてくれるような効果があるように思います。

ボタニカルの愛を受け取って

—たしかに、極端なことを言えばケーキの甘やかな香りよりも、自然に気持ちに寄り添ってくれる印象がありますね。

KAORUさんの作品
 

季節の旬なものを嗅ぐとパワーを受け取れる、違和感なく気分が変わる、というのは人間の本能的な部分。散歩が好きで公園によく行くのですが、毎日同じ道を歩いていく中で、そこにある風景や香りが少しずつ変化していくことに気付きます。例えば、光が差し込む角度も変わって、葉や樹木の香りが違う空気として香ってくる。少しの時間だったとしても、自然に触れ、香ることでインスピレーションが湧いてきます。 02“DAYS IN THE TREES” は散歩に行けない時でも、そんな気持ちを味わうことができる香水かもしれません。

すべてパッケージを見ずに香りを試したというKAORUさん。今回のフレグランスのコンセプトを振り返る。

—1日の中で「エッセンシャルセンツ」を使い分けることもありますか?

この樹木や苔の香りを感じる 02“DAYS IN THE TREES” は、朝に香ると目が覚めて、夜に香るとリラックスできて自然に睡眠へとつながっていくイメージ。それぞれ相反するニュアンスを受け取ることができました。食材を扱う立場として、仕事中やプライベートの食事などでは纏う香りに気をつけますが、このフレグランスはまわりに影響しないたおやかな芳香。普段から強い香りを身につけないタイプなので、“ちょうどいい”存在かもしれません。 03“BLACKCURRANT BERET” に芳醇なカルダモンの香り、 04“SPIRIT OF EDEN” をレイヤードするのも好きです。

KAORUさんの作品

—植物や果実は、生活の中においてどんな存在だと言えますか?

数年前からベランダでフルーツやハーブを育てているのですが、自然に育っていく姿は人間と同じ。陽に当たり過ぎると嫌そうに見えたり、ほったらかしにしたら拗ねた様子にもなる。虫と戦って、時に「ここは食べていいよ」と譲ったりする姿を眺め、日々育っていく様は、本当に本当に愛しい。その経験を経て、料理のプロセスを少なくしてよりシンプルに作り上げることにも以前より興味が出ました。例えば、ハーブを使うだけで塩味を感じたり、ドレッシングもフルーツの果汁をメインにするだけで豊かな風味を味わえたり。調味料だけに頼らず「食材の組み合わせ次第でこんなに美味しくできるのか」という発見の連続。植物が持つ力を改めて受け取り、香りも含め感動するばかりです。

Profile
KAORU(フードスタイリスト/「Dress the Food」主宰)

モノクロフォトに野菜や果物などの食材を乗せ、撮影するアートプロジェクト「Food On A Photograph」で注目を集め、現在は数多くのエディトリアルやメディア、広告などで活躍。食材を軸としたスタイリングやディレクションを行うほか、NYや東京で定期的にエキシビジョンを開催。フードとカルチャー、ファッションをシンクロさせたマガジン「shichimi magazine」の編集長も務める。

THREE ESSENTIAL SCENTS
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