THREE 相反するふたつが出合うとき
CREA2026年夏号掲載「Treat Myself」にて、作家の金原ひとみさん(@hitomi_kanehara)に、エッセイ「All-round」を書き下ろしていただきました。

昔から、両極端なものに惹かれてきた。個性的な服も好きだけど、ギャル系の服も好き。綺麗めのメイクが好きだけど、可愛い系のメイクもたまにしたい。強くありたいけど、弱さも隠さないでいたい。恋愛も同じで、自分勝手な人を好きになっては、全てを自分に合わせてくれる人を好きになってを繰り返した。
よく考えてみれば、何かに完璧にしっくりきたことなど一度もなかった。ファッションにもメイクにも、生き方、考え方にも、恋愛相手にも100%この人だと思えたことはないし、この世界に関しても、生まれた時から今に至るまで延々「何これ?」と不審がっている。不条理な世界の中で足掻き続けることが私の人生の全てなのだと、この世を飲み込み続けている。
でも腑に落ちない世の中を生きていくのはそれなりに苦しくて、もう無理かもと思うとき私は、かっこいいもの、美しいもの、信じているものに小さな力を貸してもらう。例えばイヤホンで聞く音楽、テンションの上がる靴や服、美しいネイルやオーバーめに縁取った濃いめのリップ、度数の高いお酒や煙草、好きな小説の一節、そしてフレグランス。
私が私であることを思い出させてくれる、アイデンティティを補強する香り。背伸びしたい時、強くありたい時にあと数センチ底上げしてくれる、ヒールのような香り。荒んだ時に自分を癒してくれる、カルムの香り。あらゆるドーピングをしなければ生きられないこの荒廃した世界で、香りは最もさりげなく、最も万能で、最も近くに寄り添うパートナーになってくれる。ほんのひと吹きでさまざまな力を与えてくれるフレグランスは、時々私自身に、時々女友達に、時々理解者に、時々先人に、時々恋人に、時々浮気相手にもなってくれる。ありがたいのは揮発しても、どんなに自分が情けなくても、夜になっても、消えずに一緒にいてくれるところだ。
今日も夕方から先輩作家二人と座談会の予定があって、私には少しの胆力と、自ら心を開く素直さが必要だ。0かな、4かなと瓶を手に取って印字された名前を読みながら、すでにこの体には、きっと大丈夫、今日もぎりぎり生き延びられる、という確信が芽生え始めている。
HITOMI KANEHARA
1983年、東京生まれ。2003年に『蛇にピアス』ですばる文学賞を受賞し、デビュー。翌年同作で芥川賞を受賞。10年『TRIP TRAP』で織田作之助賞、12年『マザーズ』でBunkamuraドゥマゴ文学賞、20年『アタラクシア』で渡辺淳一文学賞、21年『アンソーシャル ディスタンス』で谷崎潤一郎賞、22年『ミーツ・ザ・ワールド』で柴田錬三郎賞、25年『YABUNONAKAーヤブノナカー』で毎日出版文化賞を受賞。
かつて化粧品の世界は、どこか二分されていた。ボタニカルか、サイエンスか。
ナチュラルか、モードか。感性か、知性か。交わることのなかったその境界を溶かし、「第3の価値」を導き出したTHREE。
ありのまま、剝き出しで、美しい。その世界観は静かな熱狂に支えられ、唯一無二の輝きを放ち続ける。
佐賀県・玄海町から唐津にかけて広がる上場台地。海風が吹き抜けるこの美しい大地を舞台に、THREEの精油づくりは土起こしからはじまる。丁寧に育てられたハーブはフレッシュなまま、昔ながらの美しい街並みが残る港町・呼子町へ。「呼子朝市通り」に面する古民家を改装した蒸留所で、一滴の精油へと生まれ変わる。
自然の鼓動と日本らしいクラフトマンシップ。そのふたつが出合うとき、生まれた香りは肌へ、心へ、計り知れない力を宿していく。

THREEのスキンケアは、触れる前の“香り”からはじまっている。
肌に触れる前の、ほんのわずかな瞬間。自分でも気づかぬうちに、深い呼吸を誘う香りに満たされ、心と体がほどけていく——。
肌悩みの原因を寄せ付けないたしかな洗浄力と、心まで丸ごと浄化するような香り。THREEの精油科学がもたらすのは、単に「落とす」だけではない。
不条理な世界を生きる現代人に、まっさらな自分に戻る余白を与えてくれるのだ。
バランシング クリア クレンジング オイル
185mL 5,060円

肌は本来、守る力と排泄する力を備えている。しかし自ら「洗う」機能だけは持ち合わせていない。
だからTHREEは「洗う」ことをスキンケアの核心に据えてきた。
それは肌の力と自分本来の美しさを信じるということ、そして「生き延びる力」そのものへと繋がっていく。
(上)なぜこれほどまでに心地よいのか。フレッシュなローズマリーの香りと、慈しみのクッションのような泡が、肌を優しく包み込み澄み渡る肌へ。
バランシング クリア クリーミー ウォッシュ
100g 4,400円
(下・右)一日の終わり、雄弁に語った口元と、感情を乗せた目元を、みずみずしいオイルと芳香蒸留水で包み込んで。鼻に抜ける精油の香りが、クリアな解放感をもたらしてくれる。
バランシング クリア ポイントメイクアップ リムーバー
90mL 4,180円
(下・左)一日のはじまりに。みずみずしい寒天ジェリーが不要な角質や毛穴の汚れを優しく絡め取り、丁寧に磨き上げたようななめらか肌に。
バランシング クリア ジェリー ウォッシュ
100g 4,400円

THREEにとって植物は、優しい以上に力強い存在だ。
その力をダイレクトに届ける一滴を。冷涼な石の静謐さを宿した00から、生命の起点となる種子のエネルギーを秘めた04、夏の雨の後、街を吹き抜ける風を思わせる06まで。
深いリラックス感を誘う、熊本県南阿蘇のゼラニウム精油を軸に組み立てられたその香りは、正解のない人生を歩む私たちに最も近くで寄り添い、時に自分を底上げする存在となる。
(右) エッセンシャルセンツ R 06 WIND TELLER 10mL 5,720円(7月3日発売)
(左)同
00 WRITTEN IN STONE
30mL 13,200円

都会的で洗練されているが、決して近寄りがたいわけではない。
モードでいてナチュラル。THREEのメイクアップは常に、相反する要素が共鳴し合う絶妙なバランスの上に成り立っている。
そして、1+1を2に留めず、3へ可能性を広げていくその自由さは、私たちを「まだ見ぬ自分」へと軽やかに誘ってくれるのだ。
(右)その人自身の生命感を美しく引き出すハイライター&チークベース。
シマリング グロー デュオ R 01
4,950円
(中)やりすぎない、エフォートレスなツヤを唇に宿して。
ドリームオン アリューリング リップスティック 08
4,400円
(左)頬に触れた瞬間、指先がはっとするほど、すべらかな無垢肌へ。
アドバンスドエシリアルスムースオペレーター ルースパウダー 02
6,050円
Photos (2-5) = Keita Goto(W)
Text & Production = CREA
















