#030_1「梅雨の週末、ハーブを植えよう。」

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6月の空気は少し重いくらいに湿っていて、片手が傘に占領されてしまうこともしばしば。 「早く本当の夏にならないかな……」とうなだれてしまう日もあるけれど、そんなときこそ爽やかな気分をもたらしてくれるハーブの苗を育てはじめてみませんか? ハーブの盛りは夏。今から苗を育てて、ぐんぐん成長する姿を楽しく眺めたり、葉っぱをプチプチ摘んで思い思いの方法で使ってみたり。何に使うでもなく葉っぱを握って、手に移った香りを嗅ぐだけでいい気分になったり。 小さなハーブの苗は、自然の懐の深さや、自然がもたらしてくれる安らぎ、ささやかだけどとても贅沢な幸福感で、日常のひと時を満たしてくれます。

一度でもハーブを育てた経験があれば、それが決して難しかったり骨を折ったりすることではないと分かるのですが、未経験者にとってはどんなことも気持ち的なハードルがつきもの。 そこで今回のFeaturesは「ハーブ入門」と題して、植物のスペシャリストSOLSO FARMで働く金子 志穂美さんに、ハーブ生活のはじめ方の“いろは”を聞いていきます。


SOLSO FARM
小さな鉢植えから大きな庭木、多肉植物や観葉植物、エアプランツまで、育てやすい植物もめずらしいものも取り揃えたガーデンショップ。週末のみオープンし、ハーブはもちろんスタイリッシュな鉢や庭仕事のアイテムなどがふんだんに揃う。運営するSOLSOは造園、商業施設のグリーンディレクションまで幅広く手がける、植物のスペシャリスト集団。THREE AOYAMAのグリーン演出やハーブワークショップも担当。http://solsofarm.com / www.solso.jp

最初に必要なのは7つだけ。

自分の家に、小さなハーブガーデンを作るために。大きな買い物は必要ありません。まずはこちらの「7つのアイテム」を、気になるグリーンショップへ探しに行きましょう。

1、苗

ビギナーさんは、種よりも苗から育てる方が簡単でおすすめ。6月はさまざまなハーブの苗が手に入りやすい時季でもあります。水やりと日当たりですくすくと成長する、育てやすいハーブをお店で聞いてみても。

2、土  3、軽石

植物を元気に育てるために、土は肥料などがバランスよく配合されている「培養土」を選ぶことをおすすめします。培養土にもいろいろな種類がありますが、ハーブは口に入れたり肌に触れたりすることもあるので、できるだけ有機的な材料で作られたものを選ぶとよいでしょう。 軽石はハーブの根元の水はけをよくするために。土の下に敷いて、根腐れなどを防ぎましょう。

4、鉢

素焼きのもの、ブリキのもの、直接土を入れて植物を育てられる特殊な布素材のものまで。ベランダやお庭のインテリアをイメージしながら好みの鉢を選ぶのも、楽しいひと時。苗の根が育つことを想定して、あらかじめ苗に対して少し大きめの鉢を選んでおきましょう。

5、スコップ  6、手袋

スコップにもいろいろな大きさや形があります。ハーブの植え替えや寄せ植えにおすすめなのは、少し大きめで先が細身になっているスコップ。たくさんの土をすくうことも、細かい作業も、オールマイティーにこなしてくれます。 手袋は、ネイルをした指先でも気兼ねなく土いじりを楽しむためのマストアイテム。ゴム引きがしてあるものなら水仕事も安心です。手の動かしやすさを考えるなら、やや薄手のものを選んで。

7、じょうろ

これから毎日手に取ることになるじょうろ。小学校のときに使っていたような懐かしい形のものから、英国風の庭園に似合いそうなものまで、どれもインテリアとしても映えそうなものばかり。水差しは花器として使っても素敵そうです。

「道具を選ぶときは、使ってテンションが上がるものを選ぶのが一番大切。好きな道具だと、植物を育てるのがもっと楽しくなりますから」とSOLSO FARMの金子さん。たしかに色とりどりの道具たちを見ているだけで、育てる前からワクワク。こんな風に胸が高まる瞬間から、「ハーブのある暮らし」はすでにスタートしているのかもしれません。
次回は、お家で育てやすい植物を組み合わせて「ハーブの寄せ植え」を作っていきます。寄せ植えにおすすめのハーブの組み合わせや、植え替え作業の手順やアドバイス、育てたハーブの使い方などをご紹介します。どうぞお楽しみに!


PHOTOGRAPHY BY AHLUM KIM