2018 June-July Issue に寄せて

みなさん、こんにちは。
東京では今日にも梅雨入りをするという時季ですが、晴れた日の太陽は強く、明るく……。 雨と湿気の不安を感じながらも、少し先の夏の到来にワクワク・ソワソワするような、心そぞろな今日この頃。 6月6日、「雨がザーザーと降ってきて」とついクチずさんでしまう本日より、THREE TREE JOURNAL 2018年の6-7月号をお届けします。  

2018 June-July Issue に寄せて

今号のテーマは“THE HAIR”。 雨に髪が似合うのか、髪に雨が似合うのか、絵的にも印象的にも好相性のこの2つ。 偶然にも、THREEの新シャンプーとコンディショナーも本日の発売です。 髪というのは不思議なもので、髪型や髪質次第で、外面的なイメージはもちろん、ときに内面的なイメージまでガラリと変える一方で、それを「自分の一部」と呼ぶにはやや、体から切り離された存在であるような気がします。 というのも、私たちは自分の髪を切ったり、傷めたり、気持ちに任せて掻きむしったりと、時にぞんざいに扱っているように思うからです。 一方で肌のことは、髪に対する何倍もデリケートに扱ってあげている人が多いはず。 もしかしたらその理由の一つに、肌細胞は「生きている」一方で、髪細胞は「死んでいる」から、という事実があるかもしれません。 しかしそれにも関わらず髪は、ときに命や感情を宿しているかのような振る舞いをするもの。 感情が荒れていときは表面をポ~っと逆立てたり、疲れやストレスが溜まると白髪を増やしたり。 ちなみに私の後輩、仕事に集中しはじめると髪の生え際の天然パーマが一層強くなります。 そんなときの髪はまるで、私たちの心身の状態を空中に描く絵筆のよう。 命がないのに表情豊かな髪に、面白さと奥深さを覚える一環です。 今号の取材にあたり様々な専門家にお話を伺った中で、それらの原因の多くが、まだ生きている細胞「頭皮」の状態や働きによるものだと教えてもらったのですが、あるとき急に白髪が増える現象(私はこれを「マリーアントワネット現象」と呼んでいます)については、科学的には説明できないとのことでした。 そんな髪ですが、当然のことながら誰にでも同じように生えいているわけではありません。 クセ、色、毛量の違い。それぞれの理由で、髪がないことも。 今号の取材中には、実際にウィッグを使用している人の割合が、一般に想定されているよりずっと多いという話も聞きました。 髪型を変える自由は皆にあって当然であり、それと同時に、いわゆる“一般的な髪型”を社会が強くのはすこぶる不当なこと。 ヘアドネーションのNPO法人、ジャーダック代表の渡辺貴一さんへのインタビューの中では、そんな内容の会話も生まれました。 髪型のトレンドやヘアケアの技術の進歩と当時に、私たちのコミュニケーション意識と価値観も進歩していかなくてはならないはず。 そんなことを考えている6月のはじまりです。 今号のTHREE TREE JOURNALもお楽しみいただけますように。  
2018.6.6  THREE TREE JOURNAL   Graphic character by HIROSHI KIYOTA